催眠療法 東京メンタルケア 臨床心理士による催眠療法|提携病院あり

よくある質問

催眠療法についてよく尋ねられる質問をまとめてみました。

催眠について

Q. 催眠にかかっている時は意識があるのですか?また催眠から目覚めた時は、催眠にかかっている時のことを覚えているの ですか? 催眠状態は深くなるにつれて、一般的には意識水準が低下していくと考えられています。しかし通常、催眠から目覚めたあと も、催眠中の出来事は覚えています。特に動的催眠のような活動性の高い誘導の場合には意識がなくなることはありません。
  一方、動的催眠の誘導後、十分にリラックスが深まった状態の下で、あるいは静的催眠でも弛緩中心の誘導を施した場合には、短 い時間意識が途切れ途切れにな るような体験をされる方もいらっしゃいます。そのような場合でも催眠誘導者が覚醒暗示(催眠から覚醒させる時の暗示)の言葉 がけを始めると「その頃から誘 導者の声が聞こえてきた」との体験者の感想を耳にします。その意味では完全に意識が無くなったのではなく、意識下では誘導者 の暗示(言葉)を認識している と考えられます。
 一方深い催眠状態に入っていても意識水準が低下しない方や、逆に浅い睡眠状態でもうとうとしたという方など、個人差があり ます。
 総じて催眠から目覚めたあとも、殆どの場合催眠中の出来事は覚えていると言えるでしょう。ただし忘却暗示を用いた時は、一 時的に思い出せない現象が起こることがあります。(この場合でも時間の経過と共に思い出します)
Q. 他の相談機関で催眠を受けたのですが、全く催眠に入りませんでした。私はかかりにくいタイプなのでしょうか? 催眠には入りやすい方と入りにくい方の個人差があります。しかし、仮に入りにくいタイプであったとしても身体(特に肩や 首)を柔らかくし、リラックスする ことで入りやすくなってきます。また、動的催眠の手法を取り入れることで身体に残されていたコリや緊張、身体的ストレスの解 消が促進され、催眠に入りやす くなる方はとても多いのです(詳しくは「動的催眠について」をご覧下さい)。
 なお、催眠に入っていたとしてもその実感が得られるかどうかについ ては個人差があり、客観的に中程度の催眠に入っていると判断できる場合でも本人の実感は今ひとつであったり、比較的軽度の催 眠と思われる状態でも「ハッキ リとした実感を得られた」と感想を述べられる方もいます。
 その意味では催眠の深さに強く囚われるよりも、催眠を通して心身の弛緩状態を促進した中で心理学に基づいた心理療法を受け る事が効果的だと考えられます。
  一般的には催眠にかかれば良くなるという印象をもたれがちな催眠療法ですが、そう単純なものではなく性格傾向(認知や行動に 影響を与えます)の変化をきち んと捉えながら、ある程度の期間をかけて受ける必要があります。(1日にまとめて数時間受けるという事は単なる回数消化にし かならずお薦めしません)
また、催眠に対する誤解や偏見の解消のため疑問や質問があれば何でも気軽にお話しいただくことをお勧めしています。
Q. 催眠療法と催眠術とはどこが違うのでしょうか? 催眠術は催眠状態に誘導するための技術という意味においては催眠療法に用いられるテクニックとよく似ていま す。しかし、 催眠術はテレビのショーなどで目に する機会がありますが、催眠の持つ不思議な側面を過大に取り上げる傾向があるようです。それは視聴者が興味を持つような演出 によって視聴率を稼ごうという 背景があるからなのです。
催眠術ショーはヤラセではないかという批判が取り沙汰されますが、実際にはヤラセで行われるケースは少ないでしょう。しか し、催眠体験のない方にいきなりテレビ番組で催眠をかけることはほとんどありません。
実際には事前に何度も催眠に誘導して入りやすい条件付けを行っています。だから、短時間で催眠状態に入ることができるので す。
一方、催眠療法は誰かに見せることが目的ではありません。心理療法の中の一技法として心の問題解決に役立てることが目的で す。
催 眠術は催眠者のテクニックによって引き起こされる摩訶不思議な現象が目を引きますが、現象そのものは被験者が本来持っていた 能力が発現し易くなっただけの 事で、催眠療法の実際はクライエント(相談者)とカウンセラーが一つの目的に向かって作り上げていく地道なプロセスと言える のかもしれません。

催眠療法について

Q. 催眠療法はどんな心の問題に効果があるのですか? 一言で言えば心理的な問題ということになりますが、性格や対人関係の問題だけでなく、身体に現れる症状でも、心の問題が 原因していることがとても多いもの です。その代表的なものが心身症ですが、その他にも身体の病気と診断された方が催眠療法によって治癒しているケースは数えき れません。くわしくは「こころ の悩み」のページをご覧下さい。
Q. 催眠療法による副作用、危険性はないのですか? 催眠療法は薬を一切使いませんので、副作用や危険性はありません。暗示(言葉)やイメージ(想像)を用いた手法で、注意 集中や身体の緊張をとるトレーニン グにもなっています。そのため本来の問題解決だけにとどまらず、集中力が強化された、寝つきが良くなった、乗物酔いが治っ た、こころに余裕が持てるように なった、など幅広い効果が期待できます。
Q. 催眠療法は何回くらい行えば、効果が出るのでしょうか? ご相談の内容や程度、また性格や今おかれているストレス環境などさまざまな要因によって変わってきます。たとえば不眠症 に限ってみても、1回でぐっすり眠 れるようになる方もいますし、5回目くらいから眠れるようになったという方もいるのです。一般的には身体に現れる症状の方が 早く改善されるケースが多いよ うですが、性格的な問題などは3ヶ月位(週に1回の通院で)が一応の目安といえるでしょう。
Q.1 回よくなれば再発はしないのですか? こころの問題はその人のストレス耐性に対して、出来事によるストレスの質や大きさがそれを上回った場合、再び症状が現れ ないとはいえません。しかし、催眠療法によってストレス耐性を高めておくことで、再発の防止につながると考えています。
Q. 催眠療法で、こころの問題の原因がわかれば治るですか? 原因がわかれば治ると考えがちですが、実際は原因がわかっても、それだけでは治らないケースの方が多いのです。例えばあ がり症の人は、原因が起きた時から 現在までに何度も人前であがった体験をしています。それが条件付けされているため人前に出ただけで 反射的にあがってしまうのです。それを治すためには、古い条件付けを消去して新しい条件付けを強化していく「条件づけ療法」と呼ばれるような催眠療法が有効です。
Q. オンライン面接について 以前当WEBにおいて、電話(音声だけ)を通しての催眠面接に対しては、その効果に否定的な見解を述べてまいりました。
音声だけの催眠面接については現在も否定的な立場です。)
その後、ネット環境もかなり整い、高速通信が手軽に利用可能となる中、TV電話を介し、リアルタイムに相談者の様々な有益な 情報(カウンセリングはもとより催眠誘導時の反応も含め)を、取得できるようになりました。
 ここ数年、通所での催眠面接を受けていらっしゃった方の中で、継続面接の途中、ご本人或いはご家族の事情により遠方に引っ 越しせざるをえなかったり、または当初から通所困難であるため、はじめからテレビ面接をご希望された方々へのご期待にお応え する形で、オンライン面接の試験運用をしてまいりました。
ある程度効果が期待できると判断いたしましたので本格的に活用をさせて頂きます。ご協力をいただきました方々に感謝申し上げ ます。
(なお、動的催眠誘導での対応に制約があるため、通所に比べ面接回数が多くなる傾向が発生します。この事を考慮し、通所と比べ1回あたりの面接料をお安くさせて頂いております。
お問い合わせは、こちらですどうぞご検討下さい。)
Q. 催眠療法のオーダーメイドCDを販売してもらえませんか? こころの悩みは、表面的には同じように見えても、その背景やプロセスはさまざまです。また、その方の性格や催眠に対する 感受性も千差万別です。こうした点 から見ても、催眠体験のない方に対する催眠CDによる効果の根拠(EBM)は、不透明と言わざるを得ません。
何回か 通院し実際に催眠体験をされた上で、ご希望があればその方に合わせたCDをお作りする事は可能ですが、面接の中で自己催眠の練習をして頂き一人で自己催眠が出来るよう対応しています。セルフコントロールという観点からもCDのご利用はお勧めしておりません。

その他の質問(催眠療法の保険適用・資格・前世療法)

Q. 催眠療法の保険適用は? 医療機関においては、催眠療法・催眠療法から派生した自律訓練法、その他各種心理療法は保険(心身医学療法として)が適用されています。
1 入院中の患者 150点
2 入院中の患者以外
 ○ 初診時  110点
 ○ 再診時   80点
ちなみに1点:10円となります。(令和4年)
*心身医学療法は、当該療法に習熟した医師によって行われるべきものである。
*心身医学療法は初診時には算定できない。ただし、初診時の診療時間 が30分を超えた場合には算定できる
 ご覧のように、実施する時間に見合った収入が得られない(実際には赤字)というコスト面で、扱う医療機関は限られています。
 東京メンタルケアは医療機関ではございませんので、メンタルケアは保険適用とはなりません。但し、従業員支援プログラムを 導入している団体・企業にお勤めの方々には保険適用に準じた制度が利用できる場合がございます。詳しくはこちらへ。
Q. どんな資格の人が行っているのですか? 国が関わる資格として、文部科学省の認可団体である「財団法人日本臨床心理士資格認定協会」の認定する「臨床心理士」があります。
東京メンタルケアでは、臨床心理士が常駐しています。
参考)
 一方、催眠療法やカウンセリングに関連して米国に関わる心理学博士、○○療法博士等々、米国に由来する非認定博士号をプロパガンダするサイトを見かけます。
 関東地域で関連する施設は2・ 3箇所関西地域には1箇所はあるようです。(一時期より減少しました)
 これら米国に関わる博士号については(ディプロマミル 学位工場:文部科学省の2003年の国際的な大学の質保証に関する調査研究協力者会議(第3回)議事次第 配布資料 資料3「ディプロマ(ディグリー)・ミル」問題についてでも取り上げられています。
なお、弁護士ドットコムには「ディプロマミルの学位を自身の権威付けに利用する行為」について詐欺罪(刑法246条)が成立する可能性軽犯罪法違反(1条15 号)に当る可能性について弁護士から指摘されています。
詳しくお知りになりたい方は
1.ディプロマ(ディグリー)・ミル - 文部科学省
2.学歴汚染 (Diploma Mill・Degree Mill=学位称号販売機関による被害、弊害)
3.非認定学位を使用する事については
ディ プロマミル(学位工場)と違法性
ディプロマミルとニセ学位購入者の暗黙の了解
4.偽博士の見分け方については
正式な博士とニセ博士の見分け方
5.またYahoo!検索やGoogle検索などの検索エンジンで「ディプロマ・ミル」または、「DiplomaMill」 でお調べ下さい。
*2016年現在、2.3.4.のリンクは、リンク切れのためリンク を削除しています。
Q. ネットで散見される前世療法
とは?
催眠療法の技法の一つに年令退行法があります。この手法を用いて忘れていた幼児期の記憶が再生される事があります。その延長として生まれる前の記憶(前世)の再生を試みる方法です。
この前世療法は、140年以上前のヨーロッパにおいて一時期検討された事(後述)があり、日本では
「前世療法」 ブライアン・L・ワイス 山川紘矢・亜希子 訳
1991年1月25日 第1版第1刷発行 発行所 PHP研究所 (ISBN 4569529704) *参考「無意識の発見」発刊の20年後
により知られるようになりました。
 前述のようにこの出版の100年以上前の 1880年代から1890年代にかけ年齢退行現象について既に検討された時期があり、「昔有名だった催眠術師 デ・ロシャス大佐がこの種の実験をぎりぎりまで押しすすめ、荒唐無稽にまで達した」とされ、その大佐は「前世そして前々世を再生した」と今回と同様の主張をしていました。
参考文献「無意識の発見  上」参照  pp.140ー141  
1880-1890年代と言えば、まだ電気が身近な存在ではなくようやく電灯が普及し始めた時代でした。そして当時の科学界が第一次力動精神医学(≒催眠術・暗示療法 1775年~1900年)の反対に回った主要原因の一つとなったとされています。こういう経緯もあり20世紀半ばまで、催眠療法の科学的研究が停滞してしまったようです。
参考文献
「無意識の発見 上・ 下」(1980)アンリエレンベルガー著 木村 敏・中井久夫監訳 上巻 pp.140ー141 光文堂  (ISBN4-335-65026-4)
英語版
「Ellenberger H(1970) The Discovery of the Unconscious : The history and evolution of dynamic psychiatry.New York,Basic Books」( オリジナルの初版は1970年2月刊行
  この「無意識の発見 上・下」は精神医学・心理療法を収める学生の座右の書とも言われる名著であり大著です。
  歴史は繰り返すと言われますが、その典型例と言えるでしょう。いずれにしても類似の報告が
ワイス氏の報告の 100年以上前にあり専門家の間ではそういう歴史的経緯についても知られていました(言ってみれば陳腐な話)。またそれに伴い催眠療法に関する科学的研究が停滞してしまいました。一般の方々には、経緯も含め周知されていなかったのです。
 なお、催眠医学心理学会等でも前世療法を試みた少数のケース報告がされた事がありますが、前世療法の有効性については、学会として現在でも否定的な見解にたっています。
前世療法の現状について、詳しく知りたい方は、相模女子大学の石川勇一 先生(臨床心理士)が有意義な書物を発表されています。
石川勇一著「心理療法とスピリチュアリティ」勁草書房 2011 
   第4章 「前世イメージ療法」の臨床心理学的検証

でお読み頂けます。(臨床心理士などの 臨床心理学の訓練をきちんと受けていない、自称セラピストから前世療法を受ける事への 警鐘を鳴らしています)

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